2010年05月28日
ダイヤグレーディング問題の見解

というタイトルをうたうも、けして私の見解ではありません
が、ほぼ同じ見解であります。
しかし、結局のところ安きに流れたという事実だけは
変わらないのではないでしょうか?
みんなやってるのにかわいそうだという意見もありますが
だからこそ世界的な鑑定機関がやってほしくないとも思います。
一番の被害者はユーザーであり
実は鑑定機関よりも、そのグレードだけを見て
販売している小売店が責任重大ではないでしょうか?
こういう問題を見てあらためてジュエラーとして生きていくか
単なる取扱店として生きていくか
はっきりとしなければならないように思います。
ダイヤの品質のわからないただの取扱店で
資産性のあるジュエリーを買うかどうか・・・
それはお客様の判断によりますね。
ちなみに、店頭から引き揚げた百貨店さん
それって、自分たちがダイヤを見る目を持っていませんって
自ら認めているんじゃないんですか?
そのようなところでお買い上げになったお客様がかわいそう・・・
以下恩師の見解を原文で掲載させていただきます。
ジュエラーが語る ダイヤモンド鑑定の真実
~毎日新聞 ダイヤ鑑定かさ上げ記事にもの申す~
毎日新聞(2010年5月15日土曜日発行)第一面の「ダイヤ鑑定かさ上げ」「全宝協で33万個」という大見出しはジュエリー業界に大きな衝撃を与えたのは言うまでもありません。
朝日新聞(2010年5月18日発行)には某百貨店ではすでに、全宝協鑑定のダイヤモンドは撤去を始めたと報じていました。現在、他の百貨店にも波及しています。
店頭にて憂慮されるのは、すでにローンでお買い求めになられている方々の再鑑定、返品にどう対応するか、ジュエリー業界の苦悩が続きます。
こうした渦中に置いて、メディアへの、また店頭での不用意な店主の一言がお店の命取りになりかねません。特にメディアが求める業界トップの発言も、ジュエリー業界全体のイメージを悪化させる危険をはらんでいます。
今回、全宝協のダイヤモンド鑑定かさ上げが問題視されていますが、事実とすれば問題です。しかし、以前は中央宝石研究所がとりただされていましたが、なぜ次々にこの主の問題がおこるのでしょう。それは次々に起こりうる“種”をはらんでいるからです。
もうそろそろ、ジュエリー業界全体のイメージを悪化させるこの“種”の問題を阻止せねばなりません。ジュエリー業界全体で問題点を直視し、解決を図るべき時期にきていると考えるのは私だけではないはずです。
成すべきことは、ダイヤモンド鑑定、つまり、ダイヤモンド4Cグレーディングシステムを正しく理解し、消費者に誤った情報を流していないかどうかの点検です。
ダイヤモンド4Cグレーディングは、業者間取引においての世界的な統一基準であり、大切なものです。
ただし
「ダイヤモンド4Cグレーディングで価格は決まる」…?
「鑑定結果は絶対的なものである」
「ダイヤモンドの美しさは4Cグレーディングでジャッジ出来る」…?
という一般消費者に誤解を招くフレーズを今こそ正さなければなりません。
昭和51年根本 驥著「歪んだピラミッド」以降、この三つのフレーズが店頭で言われ続けてきました。
それまでのいい加減なダイヤモンドの説明が4Cグレーディングによって一掃され、高度経済成長とあいまって、ダイヤモンド市場は一挙に拡大されました。ダイヤモンド4Cグレーディングシステムの功績は多大なものがありました。しかし反面、お店の信用よりも、鑑別機関にさも権威があるように思われ、お店の信用度はどの鑑別機関を使っているかに変わってしまいました。鑑別会社が発行する4Cグレーディングが絶対的なもののように
伝えられてきたために、今回の全宝協、前回の中宝研のように、マスメディアにも誤解を与え、かさ上げ鑑定としてジュエリー業界をたたく恰好の材料を提供しています。
今取り組むべきは、全宝協はずしや、宝石鑑別団体協議会まかせの再発防止ではなく、高額商品であるダイヤモンドを扱うジュエラーの責任として、今後のジュエリー業界の健全な発展の為に、ダイヤモンド4Cグレーディングの誤った情報を正し、お客様に対して直接店頭で、正しい見解を示すべきではないでしょうか。
ダイヤモンド4Cグレーディングについて
本質その1
世の中にいわゆるダイヤモンド鑑定書はありません。あるのはダイヤモンドグレーディングレポートです。正しく訳すと品質等級の報告書です。カット、カラー、クオリティー、キャラット、いわゆる4Cグレーディングの最高ランクのものは、希少性の高さを示すものです。希少性、つまり出現率と需要で目安の相場をもとに、プロは報告書をうのみにせず、プロの目でグレードを判別し、プロのお店は自店の判断で価格を決定します。
本質その2
ダイヤモンドは天然のものですから、当然クラリティーグレード“VVS1”と“VVS2”、あるいは、カラーグレード“F”と“G”の中間にくるものがあります。中間のものは、ワンランク落とすという考えもありますが、完全にはジャッジ出来ないものもあります。故に、絶対的なものではありません。だからこそ、“グレーディングレポート”です。
正しい表現ですが、販売する側が“鑑定書”といった誤った情報を流していることがあるとすれば、猛省が必要です。
本質その3
にわかに信じがたいと思いますが、4Cグレーディングではダイヤモンドの美しさを説明しているものではありません。
例えば、針の先で着いたほどのくぼみが一点、もし表面にあれば“インターナルフローレス”、内部に一点(ピンポイント)があれば“VVS1”です。
では、4~5個あればVVS2ですが、肉眼では到底見えず、ルーペでも相当熟練されなければ見つけられません。“インターナルフローレス”、“VVS1”、“VVS2”がダイヤモンドの美しさにどんな影響があるかその説明は不可能です。
もう一度言いますが、ダイヤモンド4Cグレーディングは希少性を示すもので、業者間取引には大切な世界的基準です。しかし、輝きをジャッジするものではありません。
ちなみにダイヤモンドの輝きの美しさは、ほぼ“原石”で決まります。
諏訪貿易会長 諏訪恭一氏&デビアスインスティチュート・オブ・ダイヤモンド社長 アンドリュー コクソン氏共著「DIAMONDS ROUGH TO ROMANCE」にわかりやすく説明されています。是非ご一読させることをお勧めします。
本質その4
店頭価格はダイヤモンドという素材価値+いかに美しく輝かせ、しかも強度を保たせるかの構想(デザイン)+仕上げの三つの要素において、ダイヤモンドジュエリーは完成度の良し悪しを見定められ、価値の判断がなされます。そして、価格はお店が決定します。
料理で例えるとわかりやすいと思いますが、レストランは素材+味付け+盛り付けの美しさ、そして店のサービスによって“おしながき”の価格が決められています。ダイヤモンドジュエリーもまったく同じです。
マスコミの過熱報道も一過性のもので、やがて沈静化することでしょう。しかしながら、これにて一件落着ではありません。消費者のジュエリー業界不信は決して払拭された訳ではないのですから、むしろ深まっていることでしょう。ブログ、ツイッターの時代でもあり、マスコミより怖い消費者による、お店の不信情報が広がる時代です。
お店が単なる取扱店か、高額であるジュエリーを安心して買えるジュエラーのお店かどうか、消費者の厳しい選別が始まっています。
自分が扱っているジュエリーの価値が判断できないのは論外です、ジュエラーの店ではありません、そう消費者は判断されるでしょう。
価値あるものには、価値に見合った説明責任を果たせるお店かどうかが、問われています。
日本はジュエリービジネスの成熟期をむかえました。
今回のダイヤ鑑定かさ上げ報道を契機に、ジュエリー業界が、健全なる発展を目指し、ジュエラー業界へと大きく変革することを願ってやみません。
最後になりましたが、ダイヤモンド4Cグレーディングは、業者における商品管理・品質管理の一つです。実技のみであれば、2~3ヶ月でマスターできるものです。 しかし、合成、処理石が高度化する中、鑑別技術力は長年の歳月のデータの積み重ねなくして得られません。
技術のいるものは、技術力のある鑑別会社に任せることが肝要です。全宝協、中宝研は、世界に誇れる鑑別技術力を有する会社です。
この会社を失うことは、日本のジュエリー業界の損失です。
2010年5月26日
ジャパン ジュエリー ビジネス スクール
校 長 畠 健 一
Posted by bu-cho-o at 21:20│Comments(4)
│jewelry
この記事へのコメント
で、グレード違いはどうすんの?
リアルにしらばっくれる感じ?
リアルにしらばっくれる感じ?
Posted by みつい at 2010年05月29日 16:17
この間は回答ありがとうございました。
bu-cho-oさんの小売店としての誠実さが伝わりました。
ただどうしても引っかかる所があるのでもう一度一消費者としての意見を書かせてもらいます。
この記事でも書かれていますが、全〇協は世界的な機関であるからより厳しくグレーディングしなくてはならないという事ですが、消費者からみると、特に初めて買う時は鑑定書はそんなにいくつも会社があり、それぞれで厳しかったり甘かったりがあるという事は知りません。私的には全〇協は厳しくないといけないという事事態おかしく聞こえます。厳しい厳しくないではなく基準にのっとり鑑定する事はあたりまえではないのかと?
また、以前質問させていただいた「プラチナ100」ですが、私がみたのは大分の宝石店でプライスに「platinumn100」という風に書いていまして、紛らわしいと思いました。仮に販売員さんに説明を受けたとしても怪しく感じると思います。インターネットで「プラチナ100」と検索したところ、100の意味合いは「100%」と勘違いさせる為でもあると載っていたので、ますます紛らわしいなと思いました。
だーっと言いたい事だけ書くだけかいてすみません。(。-人-。)
bu-cho-oさんのこれからの活躍を期待しています!
失礼しました!
bu-cho-oさんの小売店としての誠実さが伝わりました。
ただどうしても引っかかる所があるのでもう一度一消費者としての意見を書かせてもらいます。
この記事でも書かれていますが、全〇協は世界的な機関であるからより厳しくグレーディングしなくてはならないという事ですが、消費者からみると、特に初めて買う時は鑑定書はそんなにいくつも会社があり、それぞれで厳しかったり甘かったりがあるという事は知りません。私的には全〇協は厳しくないといけないという事事態おかしく聞こえます。厳しい厳しくないではなく基準にのっとり鑑定する事はあたりまえではないのかと?
また、以前質問させていただいた「プラチナ100」ですが、私がみたのは大分の宝石店でプライスに「platinumn100」という風に書いていまして、紛らわしいと思いました。仮に販売員さんに説明を受けたとしても怪しく感じると思います。インターネットで「プラチナ100」と検索したところ、100の意味合いは「100%」と勘違いさせる為でもあると載っていたので、ますます紛らわしいなと思いました。
だーっと言いたい事だけ書くだけかいてすみません。(。-人-。)
bu-cho-oさんのこれからの活躍を期待しています!
失礼しました!
Posted by ud at 2010年05月30日 09:20
あははは!所詮、自分で石見れない人間が百貨店のバイヤーなんてやってるからこういう事になるんだよ!
そう言えば、新加熱のパパラの時も百貨店のバイヤー騙されてたね。
あの問題が発覚する前、〇ツミの営業がウチにパパラ持って来たから、「これはパパラじゃないし、もしパパラだとしても、こんな値段でこんなに大量に出回る訳が無い!!」て言って絶対に仕入れなかったら、問題が発覚してからは一切パパラ持って来ないし、話題にも触れなくなった・・・・・そういう会社が日本で1,2を争う宝石専門店てのも困ったもんだね・・・・。
とりあえず、俺たちは自分の目を鍛え、情報を常に集めないとダメだね!!
そう言えば、新加熱のパパラの時も百貨店のバイヤー騙されてたね。
あの問題が発覚する前、〇ツミの営業がウチにパパラ持って来たから、「これはパパラじゃないし、もしパパラだとしても、こんな値段でこんなに大量に出回る訳が無い!!」て言って絶対に仕入れなかったら、問題が発覚してからは一切パパラ持って来ないし、話題にも触れなくなった・・・・・そういう会社が日本で1,2を争う宝石専門店てのも困ったもんだね・・・・。
とりあえず、俺たちは自分の目を鍛え、情報を常に集めないとダメだね!!
Posted by タカ at 2010年05月30日 11:05
udさん
またまたご意見ありがとうございます。
>くないといけないという事事態おかしく聞こえます。厳しい厳しくないではなく基準にのっとり鑑定する事はあたりまえではないのかと?
確かにおっしゃる通りなのですが、グレーディングはあくまで人の目で行います。
畠校長の中にもありますが、グレードの境目にあるものをどちらにするか、そこはどれだけ熟練しても難しい判断になります。そういった場合に上にするか下にするか、それは鑑定士の判断になります。ある人は上に付ける傾向が強く、ある人は下に付ける傾向が強い。でもこれはどちらかが正しくてどちらかが間違っているということではなく、本当に何百、何千分の1ぐらいの差で判断しなければならないという事もご理解ください。
鑑定鑑別というのは、極端な話鑑定鑑別士の資格がなくてもできるものです(といってもほぼ鑑定鑑別をやっている人は何らかの資格を保有しているとは思います)。そして、鑑別機関としても大小さまざまなところが存在しています。そういったなかで、どの機関がどのようにされるかというのもまた、その機関のなかのその人の判断になるということです。
ただし、結局のところ最終的に責任を持ってお客様にお売りするのは小売店です。だからこそこれからの時代はエンドユーザーに接する所が正しい眼を持って判断していかなければならないのではないか?そう私は思っております。
前述の通り、鑑定機関に問題があったから、そこの物は全て引き下げるなんて、食品などとは違う(購買サイクルや店頭の回転率など)ものですから、そういうものだからこそ、現場に正しい判断をできる人が必要になるのではと思っております。
それとプラチナ100の表記については、根本にそういう賞品を扱うかどうかというところに立ち返るのですが、それは置いといて、ネットで書かれていたという点は私個人の見解としてはちょっと違います。ただ、お客様がそう感じてしまうという点では紛らわしい表記であることは認めないといけないと思います。ただしプラチナに関してはご存知かもしれませんが1000分の○○○の「○○○」を「Pt」の後に表記するというのが基準です。つまりプラチナ100は1000分の100プラチナが入っているものであるという表現で、それ以外に表記の仕様がないということなのです。けして100%プラチナということを謳っているわけではないんです。
ただ一般の方はそういう誤解を生じやすいでしょうから、だからこそ店頭でのきっちりした説明が必要だということなのです。当然udさんのように説明を受けても怪しいと思われる方も大勢いらっしゃると思いますし、そう思われるならば、やはり買うべきではないかと思います。
残念ながらジュエリーというものは売る側と買う側の知識の差が非常に離れているものであります。そこにつけ込んで詐欺まがいのことがおこるもの悲しい現実です。だからこそ私たちは自らを律し、信頼を得られるような業界になっていかなければならないと、思っております。私自身もまだまだ過程ですが、いつかそういう信用信頼される店を創りあげたいと思っています。
またまたご意見ありがとうございます。
>くないといけないという事事態おかしく聞こえます。厳しい厳しくないではなく基準にのっとり鑑定する事はあたりまえではないのかと?
確かにおっしゃる通りなのですが、グレーディングはあくまで人の目で行います。
畠校長の中にもありますが、グレードの境目にあるものをどちらにするか、そこはどれだけ熟練しても難しい判断になります。そういった場合に上にするか下にするか、それは鑑定士の判断になります。ある人は上に付ける傾向が強く、ある人は下に付ける傾向が強い。でもこれはどちらかが正しくてどちらかが間違っているということではなく、本当に何百、何千分の1ぐらいの差で判断しなければならないという事もご理解ください。
鑑定鑑別というのは、極端な話鑑定鑑別士の資格がなくてもできるものです(といってもほぼ鑑定鑑別をやっている人は何らかの資格を保有しているとは思います)。そして、鑑別機関としても大小さまざまなところが存在しています。そういったなかで、どの機関がどのようにされるかというのもまた、その機関のなかのその人の判断になるということです。
ただし、結局のところ最終的に責任を持ってお客様にお売りするのは小売店です。だからこそこれからの時代はエンドユーザーに接する所が正しい眼を持って判断していかなければならないのではないか?そう私は思っております。
前述の通り、鑑定機関に問題があったから、そこの物は全て引き下げるなんて、食品などとは違う(購買サイクルや店頭の回転率など)ものですから、そういうものだからこそ、現場に正しい判断をできる人が必要になるのではと思っております。
それとプラチナ100の表記については、根本にそういう賞品を扱うかどうかというところに立ち返るのですが、それは置いといて、ネットで書かれていたという点は私個人の見解としてはちょっと違います。ただ、お客様がそう感じてしまうという点では紛らわしい表記であることは認めないといけないと思います。ただしプラチナに関してはご存知かもしれませんが1000分の○○○の「○○○」を「Pt」の後に表記するというのが基準です。つまりプラチナ100は1000分の100プラチナが入っているものであるという表現で、それ以外に表記の仕様がないということなのです。けして100%プラチナということを謳っているわけではないんです。
ただ一般の方はそういう誤解を生じやすいでしょうから、だからこそ店頭でのきっちりした説明が必要だということなのです。当然udさんのように説明を受けても怪しいと思われる方も大勢いらっしゃると思いますし、そう思われるならば、やはり買うべきではないかと思います。
残念ながらジュエリーというものは売る側と買う側の知識の差が非常に離れているものであります。そこにつけ込んで詐欺まがいのことがおこるもの悲しい現実です。だからこそ私たちは自らを律し、信頼を得られるような業界になっていかなければならないと、思っております。私自身もまだまだ過程ですが、いつかそういう信用信頼される店を創りあげたいと思っています。
Posted by bu-cho-o at 2010年05月31日 12:12